ドキッとするけど大事なトイレのお話

 

今日は世界トイレの日!あんまり表立ってトイレの話なんて

しないかもしれませんが、生活には不可欠なモノであること

に異論はないはずです。エクアドルの村でトイレを求めてア

クションを起こしている女性から、トイレの大切さについて考

えて見ませんか?(清田)

https://www.we.org/stories/healthy-families-program-builds-toilets-ecuador/
 

 

 

不快に思われる方もいるのを承知のうえで、あえて書きま

す。みなさん小便や大便は必ずしますよね?人間であれ

ば、誰にでも日々起きる生理現象です。誰にでも起きるこ

とでありながら、それをどう処理するかは、その人がどこに

住んでいるかによって、大きく異なっているという現状があ

ります。

 

この現状は、社会の在り方として間違っており、是正される

べきものです。

 

アマゾンのナポ川沿いの村びとたちは、この生理現象への

処理対策が長年一つしかありませんでした。「外で適当にや

る」ということです。

 

この処理方法には、二つの決定的な問題があります。外の

土を汚染し、その汚染された土が川に溶けて、その水に昆

虫が群がり、さらに不衛生となった水が村びとによって使用

され、深刻な病気が村びとに広がっていきます。裸足で歩く

村びとや、外で遊ぶ子どもたちへの病気の広がりはとりわけ

深刻です。

 

しかし、この現状から免れた女性もいます。

 

エクアドルのアマゾンのBellavista村の村びとであるOlga

Shiguangoは、10年以上、村で唯一のトイレを稼働させて

きました。夫と共に建てたトイレです。常に清潔に保たれ、

壊れることもなく、他の村びともこの夫婦のトイレを気兼

ねなく利用しています。

 

WE (フリー・ザ・チルドレン)が、 Bellavista村の学校再建事

業に取り組んだ際、最も力を入れたのが校内のトイレ建設

です。村の衛生環境向上のため、新築のトイレはとても重

要だったのです。トイレと手洗い場が正式にオープンした

時、村全体が祝福ムードに包まれました。

 

これで村びとが用を足せる場所は2か所になりました。学

校かOlga の家です。

 

改善したとはいえ、これでは不充分でした。Olga は自宅を

清潔に保つ必要性を痛感していました。「子どもが土足で

我が家に上がったり、鶏が我が家のゴミを突っついて食べ

たりしているんです。全ての家庭にトイレが必要ですよ。ト

イレを増やさないと、我が家がもう持たないので。。」

 

WEが主催する村の女性グループに入っていたOlgaは、ワ

ークショップを通じて衛生の重要性について学びます。そ

れは、Olgaにとっては抽象的なことではなく、日々の生活

でOlga自身が痛感していることでした。そして、他の女性

たちも、我が家にトイレを設置したいと思うようになりました。

 

Olgaのリーダーシップのもと、女性グループの集会所の隣

に、公共トイレが設置されることになりました。このトイレが

完成すれば、村びとが学校に行くまでの負担が軽減されま

す。「これは即急に解決するべき問題です。学校のトイレを

使い続けるというその場しのぎの対応は限界です、学校が

休みの時は、ジャングルにまで行くことになります。そうする

と、虫に刺されることになりますね。それが、さらに不吉なこ

とを招くきっかけにもなりかねません。」

 

村びとの強い想いこそ、WEの事業を成功に導きます。村び

とは強い自主性をも持って事業に取り組んでいます。女性

たちは、ミンガの連呼で団結し、トイレの建設に取り組んで

います。彼女たちの懸命な働き、Olgaの強い意志によって、

村びとに日々起こる生理現象への対処方法に、新たな選択

肢が生まれようとしています。

 

 

(原文記事執筆: KARLOSO FIALLOS)

 

 

 


チョコレートで未来へ歩みだそうとしている親子の物語

みなさん普段食べているすべてのチョコレートの向こう側に

は、原料となるカカオを生産している農家の人たちの人生が

あります。今回は、カカオの生産を通じて、未来へと歩みだそ

うとしているエクアドルの親子の物語を紹介します。(清田)


 

https://www.we.org/stories/cacao-farming-in-ecuador-provides-community-opportunity-and-education/

 

 

 

会うと、すぐにタリア・メンドーサは歓迎してくれました。日陰

に椅子を用意し、穫りたてのバナナや冷たい飲み物を出し

てくれました。タリアは母親であり、カカオ農家であり、仕事

もよくでき、自分の名前が歌手の名前に似ていると説明し

ながら自己紹介をしました。

 

すると、彼女は笑います。

 

その朝たくさん起こった笑い声の最初です。明るく、ゆったり

とした、心地よい声の波が森の近くを通り抜けます。鳥たち

のさえずりと混ざり合って、タリアの家にサウンドトラックを作

り出します。彼女の早口のスペイン語を翻訳すると息もつけ

ない早さですが、タリアという名前の中南米の人気歌手につ

いて話しているのだと通訳の女子学生が笑います。

後ほど、タリアは自身も歌うことを打ち明けてくれま

す。同名の歌手のように、彼女を崇拝するファンた

ちの前ではなく、カカオの木々に囲まれて歌います。

 

タリアの人生は、彼女自身も農作業や子育ての合間に見

るのを楽しみにしているという昼ドラのように、山あり谷あ

り波乱に満ちていました。

 

一日を終える頃、エクアドルの沿岸でカカオの木々に囲ま

れながら、人生をやり直すことは難しい選択だとタリアは言

います。これは、一人の勇気ある母親のお話です。彼女は

自立に向けて闘い、愛を探求した結果、偶然にもWE(フリー

・ザ・チルドレン)から支援を得ることになりました。

 

タリアは先日、幼少時代を過ごしたプラヤ・グランデ村に戻

ったばかりです。そこはエクアドルの沿岸にある小さな村で、

フィノ・デ・アロマという種類のカカオの産地として有名です。

彼女は、バナナやプランテン(生食用ではない料理用バナナ)

の木々が点在し、泥土の長い道の先にある場所に住んでいま

す。そこはチョネ市に隣接し、生徒が溢れる学校のために新し

い教室を建設するため、WEが近年提携した村です。

 

 

 

 

ちょうど3年前、タリアは現在の田舎町から200km離れた

小さな町に夫と住んでいました。大変な結婚生活でした。

彼女は夫の男性優位な考えが好きではなく、難しい選択

を残していました。夫と一緒にいることで子どもたちの近く

にいて、安定した仕事を続けることはできました。しかし、

夫のもとを去り、築き上げた生活を放棄してでも、田舎で

平和と安全を取り戻すという選択もありました。タリアは結

局、「もう無理」と言い、決心したのです。

 

52歳の時、夫と成人した子どもたち、そして安定した仕事を

残して去りました。10歳の息子、アリエルだけを連れて行き

ました。そして、タリアは生まれ育った土地に戻り、父親と姉l

妹が住む木造住宅に隣接したサトウキビの茎で建てた家に

住むようになりました。

 

しかし、なじめない感情が背の高いプランテンの木陰で彼

女を待ち受けていました。当時はパニック状態でした。

 

結婚生活を送っていた何年もの間、タリアはずっと仕事をし

ていました。料理、掃除、洗濯の仕事をレストランや富裕層

の隣人宅で行いました。必要時は建設業をしたり、雨が止

めば畑のヤシを収穫したりもしました。家族を支えるために

お金を稼いだのです。

 

しかし田舎に戻って、タリアは最初の場所を去ることになっ

た原因を思い出しました。「仕事を見つけるのが大変だった

んです」と言います。「だけど、私は生き残ることができまし

た。ここでも私は生き続けています」

 

タリアにとって、生き抜いていくということは、彼女が経験し

た以上にアリエルが学校で十分な食べ物を食べたり、可能

性を広げる機会を得たりできることです。成功するには、時

にはきつい仕事をすることもあります。以前、タリアを町の建

設現場へと導いた頑強さは、同じように地元周辺の畑仕事へ

と結びつけました。しかし、彼女はすぐに、それはある意味チ

ャンスだと感じたと言います。

 

エクアドルのカカオ農家たちの支援を拡大する役割に向け

て、WEはチョネ市と提携しました。WEのチャリティ活動はア

リエルの学校で新しい教室の建設に着手しました。そして、

タリアが成長を見届けてきたカカオはWE to WE Chocolate

(フリー・ザ・チルドレンのプロジェクト)で新しい市場を開拓しました。

 

 

WEとの関係は「天国から降ってきたようなものです」とタリア

は言います。「このようなチャンスは、ここでは偶然起きませ

ん。だから、子どもたちや私たち家族の生活をより良くする支

援してくれて、前に進む手助けをしてくれるWEの皆さんを連

れてきてくれて、『神様ありがとう』と言いました」

 

タリアの前方にある細い道には、熟すのを待つ青い実をつ

けたカカオの畑があり、木々は小川を越えてタリアの家の

方まで見えます。そのカカオはエクアドルで賞を取っていて、

世界中のチョコレートメーカーに知られています。タリア、

そして彼女の新しい恋人がカカオの栽培の手伝いをして

います。

 

長いなたを軽快に振りながら、サトウキビの茎を切っている

明るい黄色のシャツを着た近くの男性にタリアが合図をする

と、恥ずかしそうに笑顔になりました。彼女は、ホセとの出会

いは10代の頃だと打ち明けました。「私たちはお互いの人生

からいなくなりました。だけど、私が戻ってきた時」と、音楽に

合わせて冗談のように言います。「私たちが始めたこと(お互

いの人生からいなくなること)をやめたんです」

 

青春時代の恋人同士は、一緒にカカオ畑で働き、早朝の

霧の中を手を繋いで果樹園へと歩きます。2人は畑の除

草を行い、カカオの実を収穫し、固い外皮を切り開け、大

きな亜麻色の種から果肉を取ります。タリアたちが世話を

しているのは、地元の農家が共同運営をしている畑の一

部です。ME to WEのプロジェクトで得ている受賞歴のある

カカオは、全てのチョコレートバーに入っていて、タリアと

農家たちは公正な価格で取引しています。

 

「私がしていることは全部、アリエルを必ず学校に行かせる

ためです」と、タリアは言います。その願いは、彼女自身が

教育を受けられなかった経験からきています。タリアは10

歳で学校へ行くのをやめました。川でエビを捕ったり、森で

バナナを収穫したり、売りに出すトウモロコシやコーヒー豆、

野菜を育てる母を手伝うために日々を過ごしました。そして、

彼女自身が母親になったのです。

 

 

 

「私はいつも、子どもたちのためにベストな環境を求めてき

ました。私には学ぶ機会がなかったけれど、子どもたちに

は学んで欲しいし、なりたい誰かになって、より幸せになっ

て欲しいです」。肩をすくませながら、こうも言います。「私は

文字が読めないから、アリエルに教えてもらいたいのです」

 

その願いは、タリアを真っ先にミンガ(エクアドルで行動を呼

びかける時に村で行われる連呼)へと導き、チョネ市に新し

い教室を建てる計画ができました。ショベルを手に、彼女は

他の村びとたちと参加し、建築計画のために土地を整備す

るのを手伝いました。タリアの望みは、高く築き上がっていく

教室の壁のように、さらに上を目指してアリエルが成長して

いけるようになることです。

 

現状では、チョネ市の上級学生たちは学業を終えるために

アタカメス市まで通わなければなりません。さらに、この地

域の子どもたちには、30分のバスの旅にかかる運賃が必

要です。しかし、この新しい教室ができれば、村での学校

卒業実現に一歩近づきます。

 

新しい教室と、カカオで得る収入は、アリエルが学校の中

退という事態に追いこまれず、教育によって新しい道に進

むことを可能にするというタリアの願いを叶えてくれます。

 

タリアは、アリエルがエンジニアになる将来を夢見ています。

または、建築家になるのも良いかもしれないと思っています。

そのためにはまず、アリエルは勉強しなければなりません。そ

して、タリアは自宅から川を渡った場所にあるカカオの木々が、

夢を叶えてくれることを分かっています。

 

それから、タリアは歌を歌ってくれました。おそらくクンビアか

マリンバだと思います。いずれも彼女の住む地方全域のアフ

リカ系エクアドル人の村では強く根付いている人気のダンスミ

ュージックです。結局、ロマンチストのような彼女でも、燃える

ような恋を経て、農場主として落ち着くのです。愛の歌とともに。

 

タリアは背筋を伸ばして座り、数小節歌います。笑い声はも

うしません。その響きは頭上を漂い、湿った沿岸の空気を感

じた時、瞬時にえくぼのある笑顔に戻って目を輝かせます。

 

彼女の歌声はカカオの木々へと響き渡り、息子のために描

いている未来へと向かっていきます。

 

(原文記事執筆: ジェシー・ミンツ 翻訳:翻訳チーム 山田あさ子 文責:清田健介)

 

 

 


チョコレートで建てられた学校

エクアドルのチョネ村に開校した新しい学校。この学校は、

WE(フリー・ザ・チルドレン)が村で行っているチョコレートの

フェアトレード事業をきっかけに建設されました。(清田)

 

https://www.we.org/stories/fair-trade-chocolate-gives-education-in-ecuador/

 

 

 

エクアドルのチョネという村で新しい教室のグランドオープニ

ングセレモニーが行われる前日、その学校の校庭にさびつい

たトラックがバックで入って来ました。荷台にはオレンジ色の椅

子、セロハンに包まれた机や真新しいホワイトボードなどが積

まれ、エクアドル沿岸の太陽の下、生徒たちの授業が終わる

まで、荷降ろしの時を待っています。

 

教師のガブリエル・イヴァン・ヴェルドゥガが終業のベルを鳴

らすと、即席のミンガ(訳注:エクアドルの伝統的な住民間の

結束による共同作業)が始まります。ミンガが呼びかけられ

ると、村のために教室建設プロジェクトの完成を手助けしよ

うと、男性、女性、子どもたちが協力し合います。

 

グレーと白の制服を着た生徒たちがトラックに集まってきま

す。何人かが荷台によじ登り、他の生徒は後ろの方に並ん

でちょっとした組立ラインができ、からっぽの教室に机や椅

子を協力しながら運んでいきます。そうすることで、子どもた

ちは古くからエクアドルの人々が伝統的に行ってきた共同作

業、ミンガに無意識のうちに加わっているのです。「WEのプロ

ジェクトがこうした共同作業の精神を呼び起こしてくれました。」
生徒たちがトラックの荷台から下で待っているクラスメートに机

や椅子を降ろしているのを見て、イヴァンは人懐こく微笑みまし

た。生徒たちからはイヴァン先生と親しまれていて、実年齢は

35歳ですがもっと若く見えます。

 

生徒たちはちょうど数週間前、自分たちの両親がショベル

を手に取り、岩を取り除き、セメントを混ぜて教室を作るの

を見ていました。今、生徒たちは、両親が始めた作業を完

成させようとしています。それはイヴァンにとって、変化を

目指す彼の思いを村全体が分かち合っていることの証でした。

 

 

 

チョネ村は富裕層向けのビーチリゾートの玄関口に位置し

ています。自給自足の生活のため、収穫が豊富なときはよ

いのですが、川が氾濫したり、逆に雨がなかなか降らない

ときは、食べるものに困ることもあります。2017年9月、WE

はチョコレートで有名なFino de Aroma(訳注:コロンビア産

カカオ豆)とその多様なカカオ豆から作るチョコレート製品

のフェアトレードと持続可能な開発事業によって、エクアド

ルのために何ができるかに目を向け、チョネ村を訪れまし

た。この有名なカカオ豆によりME to WEのフェアトレード・

チョコレートが作られ、この教室建設に一役買ったのです。

 

チョネ村のカカオ農園と協力するにあたり、WEの開発事業

の専門家は村びとと一緒に計画を立て始めました。当時W

Eとチョネ村との新しいパートナーシップを進めていたイヴァ

ンによると、プロジェクトをすすめていくにあたりまず最初に

着手するべきものこそ、設備の整った学校の建設でした。

 

チョネ村は大西洋の波が打ちつける海岸線に近い内陸に

位置しており、学校の周囲は丘状になっていて冷たい沿岸

の風の吹き溜まりとなり、広大なカカオやバナナの畑に多

量の温かい雨を降らせることにより、このあたり一帯は絵

に描いたような青々とした緑になっています。そのような美

しい景観のために村びとが直面している問題を見過ごし

てしまいがちですが、その必要性は重要なものなのです。

 

チョネ村では、最近になってやっと一部だけ舗装路がつな

がりましたが、多くの家は長く伸びる荒れた未舗装路のた

めいまだに孤立しています。週に一度きれいな飲み水を運

ぶトラックが来ます。舗装路の近くに住んでない人たちは雨

の日に水を貯めたり、川の水を汲んで来たりしなければなり

ません。もちろん処理されていない水です。学校は過密状態

で設備も不十分です。高学年の生徒たちは近くのアタカメス

という町までバスで通学することが求められていますが、お

金がかかるため多くの生徒が退学を余儀なくされています。

 

イヴァンにとって、WEとのパートナーシップは「教育不足の

連鎖を断ち切るチャンス」であり、新しくできる教室は「最重

要使命」となりました。先生であり牧師でもあるイヴァンは、

エクアドルの農村の教育の現状について熱く語ったかと思

うと、ふいに、遠くを見つめたり、あるいは直接目を見つめ

て、彼自身の過去について控えめに語り出しました。

 

 

 

イヴァンはアタカメスの出身です。アタカメスはチョネの村か

らは車で45分ほどですが、高層のホテルが白砂のビーチに

立ち並び、遊歩道には新鮮なロブスターを味わうことのでき

るセビーチェ(訳注:生魚のマリネ)の屋台が並び、チョネ村

とは別世界の様相です。

 

彼は教育によって開かれる道があることを自ら経験しました。

イヴァンの母親は教育を受ける機会がありましたが、彼の父

親は教育を受けませんでした。年をとってから母は小学校の

先生になり、父は彼女の成功をとても誇りに思っていました。

両親はイヴァンに必ず学校を卒業するように言い聞かせまし

た。「私たちはずっと貧しいことで制約を受けてきて、苦しんで

きました。」イヴァンはスペイン語で説明します。
「でも今はもう貧困の連鎖には囚われていませ

ん。私は生徒たちや、彼らのニーズ、彼らの夢

に昔の自分を重ねています。」アタカメスにいる

イヴァン自身の子どもたちは設備の備わった

十分に資金のある学校に行くことができてお

り、彼は同じようなチャンスをチョネ村の子ど

もたちにも叶えてあげたいのです。

 

WEとの連携により、村は教室建設を実現するべく行動を起

こしました。WEとエクアドルの村との間に真のパートナーシ

ップを確立させるために、またの村人にプロジェクトに対す

る当事者意識を持ってもらえるように、村からも必要な備品

を少しずつ提供することにしました。カナダやアメリカの学校

でWEの募金活動をしているように、そこにエクアドルのエッセ

ンスを加え、チョネ村の生徒と保護者でベイク・セール(訳注:

お菓子などを手作りして販売するバザー)を催し、セメントや竹

材を調達するための資金を集めました。ベイク・セールによくあ

るクッキーやブラウニーではなく、エクアドル風に、エンコカード

(訳注:魚介のココナッツソース煮込み)に使うすりつぶした新鮮

なココナッツや、タマル(訳注:トウモロコシ粉を練ったものとひき

肉、トウガラシなどをバナナの葉などに包んで蒸したもの)に使う

トウモロコシの粉や、伝統的なコルビーチェ(訳注:緑色のバナナ

と魚をまぜて成形したコロッケのようなもの)に使うバナナの詰め

物などを提供しました。ラッフル(訳注:資金集めのためにくじなど

が付いたチケットを販売すること)を主催して近隣の村からも参加

してもらいサッカーの試合をしたりしました。イヴァンの子どもたち

もジュースやソーダを売るのを手伝いに来てくれました。

 

そしてミンガの精神もありました。フェアトレード事業を通じ

てME to WEチョコレートにカカオ豆を供給しているカカオ農

家の方々も、学校建設を手伝いに来てくれました。その売

上資金はエクアドルじゅうのこうしたプロジェクトに提供され

ています。学校建設の初日、当日の朝にはこの村からたく

さんの人が手伝いに来てくれて、シャベルの数が足りなくな

るほどでした。保護者が土地をならし、イヴァンは参加者が

交替で作業できるようスケジュールを組みました。「作業は

着々と進みました。愛する子どもたちのために。」と笑うイヴ

ァンの顔には大きなえくぼができました。
 

 

 

2018年1月にグランドオープニングを迎えました。前日まで

生徒たちが新しい教室に机や椅子を運び入れるのを見て

いたイヴァンは入口の横に立ち、来てくれた人たちをとても

嬉しそうに迎え入れています。村のリーダーや先生方だけ

でなく、教育省からは政府関係者も参加してくれています

が、出席者の中でもイヴァンが最も誇りに思っているのは、

直接建設に携わってくれた保護者たちでした。自分たちで

建設作業を手助けした新しい教室で、子どもたちが運んでく

れた椅子に座っています。新しい教室はゆったりして、防音

屋根や空調設備も備わっており、生徒たちは激しい雨の日

でも焼けつくような暑い日でも勉強ができるのです。

 

「今日はお祝いの日です。」イヴァンは、グランドオープニン

グに集まった観衆の前でスピーチしました。保護者たちの頑

張りと、村のサポートと、先生方の献身をみんなで称えあい、

そして何よりも、村の来と新しく生まれたWEと村とのパートナ

ーシップによって今後もたらされるものを祝福しました。「この

プロジェクトによってこれからも引き続き多くの節目を迎えるこ

とでしょう。」

 

これから子どもたちがより良い教育を受けることができると

確信しながら、保護者たちは教室からぞろぞろと出てきまし

た。彼らが通り過ぎたそばには、もう一つ教室を作るための

セメント袋や竹材が積まれています。エクアドルではこれら

の材料によって、夢を叶えることができるのです。

 

祝典が終わり、明日この教室は、教科書のページをめくる

音、ホワイトボードに文字を書く音、不安な生徒を励ます先

生の声など、学びの音であふれているでしょう。チョネのカ

カオによって建てられたこの教室は、教育の記念碑として

カカオ畑の中に静かに立っています。イヴァンは教室のド

アを閉めて、言いました。「この目に映るものが愛おしいで

す。心を打たれます。すばらしい教室です。」

 

(原文記事執筆: ジェシー・ミンツ 翻訳:翻訳チーム 山

本晶子 文責:清田健介)


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