姉弟対決が、アマゾンを救う?

お姉ちゃんへの敵意をむき出しにする弟。といっても、これは姉弟喧嘩ではありません。

アマゾンの環境を良くするための「競争」なのです。(清田)

https://www.we.org/stories/students-lead-the-way-to-promote-environmental-protection-in-the-amazon/

 


 

 

その姉弟の競争は一年前の夕飯から始まりました。

 

ウチュマンガのシチューとユカでできたパンが食卓を囲む中、12歳のフランクはお姉ちゃん、タリアの一日の出来事を聞いていました。

カナブ村にあるタリアの学校は、エクアドルのアマゾンの熱帯雨林にあるナポ川沿いの奥地の中にあります。

WE(フリー・ザ・チルドレン)の学校清掃プログラムで、タリアのリーダーシップで学校が一位を勝ち取ったことをタリアは誇らしげに話していました。

 

兄弟の年の差はたったの一年です。

タリアは、両親が満足そうな顔をしている中、学校の庭のお手入れや、クラスメートにトイレの掃除の仕方について指導していること、トイレ掃除は感染症予防や病気の予防ために重要であることなどを話していました。

 

その時、フランクはお姉さんの後を追い、大気汚染や環境破壊と戦うことにしました。 

 

「私たちの間には競争があります」9年生のフランクがスペイン語で話します。彼の目はライバルの話をしていると目が輝いていました。

ですが、彼は両親の話題になると、真面目になり、子ども達のことを誇らしく思って欲しいと語っていました。

 

 

 

WE Villages は学校清掃コンテストを、アマゾンにある5つの村の学校の対抗戦として開催することにしました。

生徒たちに健康や、環境問題に積極的に取り組んでもらうためです。

生徒たちはワークショップを通して環境のことを学び、学んだことを学校に戻って庭を作ったり、清潔と言う言葉を広めます。

このコンテストは年の終わりに終了し、一つの学校が優勝します。10年生のタリアは、カナブ村を一位に見事に導きました。

 

カナブ村の人たちには、このコンテストがあってラッキーだったと言います。 近年は人口が増え、数家族しかいなかったのが、何百人もの人たちに増えたと言います。

この急激な成長は道路や電気、水道の整備など、村に良いことをたくさんもたらしました。

 

ですが課題もあります。ゴミや空気汚染です。学校長の Ramon Liqui Machoaは、彼が子どもだった40年前には、プラスチックが村になかったと言います。

現在はゴミの設備が遅れてついていけないため、人々は学校の後ろにある川にゴミを捨てています。 

そのゴミによって、川が汚染されていくのです。

 

「ここはとても綺麗な場所です」とフランクは散乱しているゴミを見ながら言います。 

彼はこの問題に気づいており、解決しよう必死です。コンテストが、その問題の解決策のひとつになることを望んでいます。

そして、願わくばお姉さんに勝ちたいとも思っています。

 

アマゾンは地球の肺だと言います。アマゾンには自然が多いです。雨も降り、長い木がたくさんあります。のちに全てが地球に戻ります。

 

落ち葉はアマゾンの土で生分解するのに三日間かかります。落とされたりんごの芯はもっと早いです。

ですがプラスチックは分解されません。Ramonは、落とされて枝に引っかかっているプラスチックを指差しながら自然が汚染されないように守ることをしらなかったといいます。

 

綺麗なオフイスに座りながら、Ramonは1998年に学校ができる前の土地を思い出しました。

前はただの牧草地だったのが、今は400人もの生徒が通う学校になっていることで喜びに満ちていました。

教師歴10年の彼はWEの清掃行事は環境を守る一つのパズルピースだと話します。村全体が一段となって取り組むからです。

 

 

フランクは考えがあったのですが、それには父の助けが必要でした。彼は父にゴミ箱が学校にないことを話し、建築士である父に助けを求めました。

近くの街からカナブにゴミ拾いの清掃員を送り込んでいるのですが、ゴミ箱がない限り何も拾えません。

フランクは竹でゴミ箱を作ることを決断しました。

 

親子は早朝に祖父の畑に出かけます。竹林の中に入っていき、丈夫な茎を切って肩に乗せて帰って来ました。

それを地面に埋め、切り目を入れて曲げられるようにしました。ワイヤーや棒を使ってゴミ箱の形にしました。

 

父と何かを作るのはこれが初めてですとフランクは嬉しそうに言います。彼の同級生は早速ゴミ箱を使い、ワークショップで習ったことも生かし、正しくゴミを処理しています。ゴミ箱の近くにはフランクが教室を美化しようと、花瓶や花も置きました。
 
「人間と自然がお互いを必要だといままでここの人は知らなかったのです。」彼はゴミ箱が満杯になるのを待ちながら言います。

「この場所が誇りです。」彼は話します。

 

コンテストの結果、カナブ村は今年は三位で幕を閉じました。「全力を出し切っていませんでしたと」はRamon言います。

ですが、悔いはありません。校舎がすごく綺麗になったので。

 

フランクにはまだ来年もありますが。
(原文記事執筆: ジェシー・ミンツ 翻訳:翻訳チーム 佐藤衣莉彩  文責:清田健介)

 

 


ドキッとするけど大事なトイレのお話

 

今日は世界トイレの日!あんまり表立ってトイレの話なんて

しないかもしれませんが、生活には不可欠なモノであること

に異論はないはずです。エクアドルの村でトイレを求めてア

クションを起こしている女性から、トイレの大切さについて考

えて見ませんか?(清田)

https://www.we.org/stories/healthy-families-program-builds-toilets-ecuador/
 

 

 

不快に思われる方もいるのを承知のうえで、あえて書きま

す。みなさん小便や大便は必ずしますよね?人間であれ

ば、誰にでも日々起きる生理現象です。誰にでも起きるこ

とでありながら、それをどう処理するかは、その人がどこに

住んでいるかによって、大きく異なっているという現状があ

ります。

 

この現状は、社会の在り方として間違っており、是正される

べきものです。

 

アマゾンのナポ川沿いの村びとたちは、この生理現象への

処理対策が長年一つしかありませんでした。「外で適当にや

る」ということです。

 

この処理方法には、二つの決定的な問題があります。外の

土を汚染し、その汚染された土が川に溶けて、その水に昆

虫が群がり、さらに不衛生となった水が村びとによって使用

され、深刻な病気が村びとに広がっていきます。裸足で歩く

村びとや、外で遊ぶ子どもたちへの病気の広がりはとりわけ

深刻です。

 

しかし、この現状から免れた女性もいます。

 

エクアドルのアマゾンのBellavista村の村びとであるOlga

Shiguangoは、10年以上、村で唯一のトイレを稼働させて

きました。夫と共に建てたトイレです。常に清潔に保たれ、

壊れることもなく、他の村びともこの夫婦のトイレを気兼

ねなく利用しています。

 

WE (フリー・ザ・チルドレン)が、 Bellavista村の学校再建事

業に取り組んだ際、最も力を入れたのが校内のトイレ建設

です。村の衛生環境向上のため、新築のトイレはとても重

要だったのです。トイレと手洗い場が正式にオープンした

時、村全体が祝福ムードに包まれました。

 

これで村びとが用を足せる場所は2か所になりました。学

校かOlga の家です。

 

改善したとはいえ、これでは不充分でした。Olga は自宅を

清潔に保つ必要性を痛感していました。「子どもが土足で

我が家に上がったり、鶏が我が家のゴミを突っついて食べ

たりしているんです。全ての家庭にトイレが必要ですよ。ト

イレを増やさないと、我が家がもう持たないので。。」

 

WEが主催する村の女性グループに入っていたOlgaは、ワ

ークショップを通じて衛生の重要性について学びます。そ

れは、Olgaにとっては抽象的なことではなく、日々の生活

でOlga自身が痛感していることでした。そして、他の女性

たちも、我が家にトイレを設置したいと思うようになりました。

 

Olgaのリーダーシップのもと、女性グループの集会所の隣

に、公共トイレが設置されることになりました。このトイレが

完成すれば、村びとが学校に行くまでの負担が軽減されま

す。「これは即急に解決するべき問題です。学校のトイレを

使い続けるというその場しのぎの対応は限界です、学校が

休みの時は、ジャングルにまで行くことになります。そうする

と、虫に刺されることになりますね。それが、さらに不吉なこ

とを招くきっかけにもなりかねません。」

 

村びとの強い想いこそ、WEの事業を成功に導きます。村び

とは強い自主性をも持って事業に取り組んでいます。女性

たちは、ミンガの連呼で団結し、トイレの建設に取り組んで

います。彼女たちの懸命な働き、Olgaの強い意志によって、

村びとに日々起こる生理現象への対処方法に、新たな選択

肢が生まれようとしています。

 

 

(原文記事執筆: KARLOSO FIALLOS)

 

 

 


チョコレートで未来へ歩みだそうとしている親子の物語

みなさん普段食べているすべてのチョコレートの向こう側に

は、原料となるカカオを生産している農家の人たちの人生が

あります。今回は、カカオの生産を通じて、未来へと歩みだそ

うとしているエクアドルの親子の物語を紹介します。(清田)


 

https://www.we.org/stories/cacao-farming-in-ecuador-provides-community-opportunity-and-education/

 

 

 

会うと、すぐにタリア・メンドーサは歓迎してくれました。日陰

に椅子を用意し、穫りたてのバナナや冷たい飲み物を出し

てくれました。タリアは母親であり、カカオ農家であり、仕事

もよくでき、自分の名前が歌手の名前に似ていると説明し

ながら自己紹介をしました。

 

すると、彼女は笑います。

 

その朝たくさん起こった笑い声の最初です。明るく、ゆったり

とした、心地よい声の波が森の近くを通り抜けます。鳥たち

のさえずりと混ざり合って、タリアの家にサウンドトラックを作

り出します。彼女の早口のスペイン語を翻訳すると息もつけ

ない早さですが、タリアという名前の中南米の人気歌手につ

いて話しているのだと通訳の女子学生が笑います。

後ほど、タリアは自身も歌うことを打ち明けてくれま

す。同名の歌手のように、彼女を崇拝するファンた

ちの前ではなく、カカオの木々に囲まれて歌います。

 

タリアの人生は、彼女自身も農作業や子育ての合間に見

るのを楽しみにしているという昼ドラのように、山あり谷あ

り波乱に満ちていました。

 

一日を終える頃、エクアドルの沿岸でカカオの木々に囲ま

れながら、人生をやり直すことは難しい選択だとタリアは言

います。これは、一人の勇気ある母親のお話です。彼女は

自立に向けて闘い、愛を探求した結果、偶然にもWE(フリー

・ザ・チルドレン)から支援を得ることになりました。

 

タリアは先日、幼少時代を過ごしたプラヤ・グランデ村に戻

ったばかりです。そこはエクアドルの沿岸にある小さな村で、

フィノ・デ・アロマという種類のカカオの産地として有名です。

彼女は、バナナやプランテン(生食用ではない料理用バナナ)

の木々が点在し、泥土の長い道の先にある場所に住んでいま

す。そこはチョネ市に隣接し、生徒が溢れる学校のために新し

い教室を建設するため、WEが近年提携した村です。

 

 

 

 

ちょうど3年前、タリアは現在の田舎町から200km離れた

小さな町に夫と住んでいました。大変な結婚生活でした。

彼女は夫の男性優位な考えが好きではなく、難しい選択

を残していました。夫と一緒にいることで子どもたちの近く

にいて、安定した仕事を続けることはできました。しかし、

夫のもとを去り、築き上げた生活を放棄してでも、田舎で

平和と安全を取り戻すという選択もありました。タリアは結

局、「もう無理」と言い、決心したのです。

 

52歳の時、夫と成人した子どもたち、そして安定した仕事を

残して去りました。10歳の息子、アリエルだけを連れて行き

ました。そして、タリアは生まれ育った土地に戻り、父親と姉l

妹が住む木造住宅に隣接したサトウキビの茎で建てた家に

住むようになりました。

 

しかし、なじめない感情が背の高いプランテンの木陰で彼

女を待ち受けていました。当時はパニック状態でした。

 

結婚生活を送っていた何年もの間、タリアはずっと仕事をし

ていました。料理、掃除、洗濯の仕事をレストランや富裕層

の隣人宅で行いました。必要時は建設業をしたり、雨が止

めば畑のヤシを収穫したりもしました。家族を支えるために

お金を稼いだのです。

 

しかし田舎に戻って、タリアは最初の場所を去ることになっ

た原因を思い出しました。「仕事を見つけるのが大変だった

んです」と言います。「だけど、私は生き残ることができまし

た。ここでも私は生き続けています」

 

タリアにとって、生き抜いていくということは、彼女が経験し

た以上にアリエルが学校で十分な食べ物を食べたり、可能

性を広げる機会を得たりできることです。成功するには、時

にはきつい仕事をすることもあります。以前、タリアを町の建

設現場へと導いた頑強さは、同じように地元周辺の畑仕事へ

と結びつけました。しかし、彼女はすぐに、それはある意味チ

ャンスだと感じたと言います。

 

エクアドルのカカオ農家たちの支援を拡大する役割に向け

て、WEはチョネ市と提携しました。WEのチャリティ活動はア

リエルの学校で新しい教室の建設に着手しました。そして、

タリアが成長を見届けてきたカカオはWE to WE Chocolate

(フリー・ザ・チルドレンのプロジェクト)で新しい市場を開拓しました。

 

 

WEとの関係は「天国から降ってきたようなものです」とタリア

は言います。「このようなチャンスは、ここでは偶然起きませ

ん。だから、子どもたちや私たち家族の生活をより良くする支

援してくれて、前に進む手助けをしてくれるWEの皆さんを連

れてきてくれて、『神様ありがとう』と言いました」

 

タリアの前方にある細い道には、熟すのを待つ青い実をつ

けたカカオの畑があり、木々は小川を越えてタリアの家の

方まで見えます。そのカカオはエクアドルで賞を取っていて、

世界中のチョコレートメーカーに知られています。タリア、

そして彼女の新しい恋人がカカオの栽培の手伝いをして

います。

 

長いなたを軽快に振りながら、サトウキビの茎を切っている

明るい黄色のシャツを着た近くの男性にタリアが合図をする

と、恥ずかしそうに笑顔になりました。彼女は、ホセとの出会

いは10代の頃だと打ち明けました。「私たちはお互いの人生

からいなくなりました。だけど、私が戻ってきた時」と、音楽に

合わせて冗談のように言います。「私たちが始めたこと(お互

いの人生からいなくなること)をやめたんです」

 

青春時代の恋人同士は、一緒にカカオ畑で働き、早朝の

霧の中を手を繋いで果樹園へと歩きます。2人は畑の除

草を行い、カカオの実を収穫し、固い外皮を切り開け、大

きな亜麻色の種から果肉を取ります。タリアたちが世話を

しているのは、地元の農家が共同運営をしている畑の一

部です。ME to WEのプロジェクトで得ている受賞歴のある

カカオは、全てのチョコレートバーに入っていて、タリアと

農家たちは公正な価格で取引しています。

 

「私がしていることは全部、アリエルを必ず学校に行かせる

ためです」と、タリアは言います。その願いは、彼女自身が

教育を受けられなかった経験からきています。タリアは10

歳で学校へ行くのをやめました。川でエビを捕ったり、森で

バナナを収穫したり、売りに出すトウモロコシやコーヒー豆、

野菜を育てる母を手伝うために日々を過ごしました。そして、

彼女自身が母親になったのです。

 

 

 

「私はいつも、子どもたちのためにベストな環境を求めてき

ました。私には学ぶ機会がなかったけれど、子どもたちに

は学んで欲しいし、なりたい誰かになって、より幸せになっ

て欲しいです」。肩をすくませながら、こうも言います。「私は

文字が読めないから、アリエルに教えてもらいたいのです」

 

その願いは、タリアを真っ先にミンガ(エクアドルで行動を呼

びかける時に村で行われる連呼)へと導き、チョネ市に新し

い教室を建てる計画ができました。ショベルを手に、彼女は

他の村びとたちと参加し、建築計画のために土地を整備す

るのを手伝いました。タリアの望みは、高く築き上がっていく

教室の壁のように、さらに上を目指してアリエルが成長して

いけるようになることです。

 

現状では、チョネ市の上級学生たちは学業を終えるために

アタカメス市まで通わなければなりません。さらに、この地

域の子どもたちには、30分のバスの旅にかかる運賃が必

要です。しかし、この新しい教室ができれば、村での学校

卒業実現に一歩近づきます。

 

新しい教室と、カカオで得る収入は、アリエルが学校の中

退という事態に追いこまれず、教育によって新しい道に進

むことを可能にするというタリアの願いを叶えてくれます。

 

タリアは、アリエルがエンジニアになる将来を夢見ています。

または、建築家になるのも良いかもしれないと思っています。

そのためにはまず、アリエルは勉強しなければなりません。そ

して、タリアは自宅から川を渡った場所にあるカカオの木々が、

夢を叶えてくれることを分かっています。

 

それから、タリアは歌を歌ってくれました。おそらくクンビアか

マリンバだと思います。いずれも彼女の住む地方全域のアフ

リカ系エクアドル人の村では強く根付いている人気のダンスミ

ュージックです。結局、ロマンチストのような彼女でも、燃える

ような恋を経て、農場主として落ち着くのです。愛の歌とともに。

 

タリアは背筋を伸ばして座り、数小節歌います。笑い声はも

うしません。その響きは頭上を漂い、湿った沿岸の空気を感

じた時、瞬時にえくぼのある笑顔に戻って目を輝かせます。

 

彼女の歌声はカカオの木々へと響き渡り、息子のために描

いている未来へと向かっていきます。

 

(原文記事執筆: ジェシー・ミンツ 翻訳:翻訳チーム 山田あさ子 文責:清田健介)

 

 

 


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