学べる喜びを噛みしめ、未来へと羽ばたくケニアの若者たち

いよいよ始まった新年度。入学や就職・転職など、新たなス

テージを迎えられた方も多いかと思います。ケニアのWEカッ

レジの第一期生たちも、学ぶ喜びを噛みしめ、前に進んでい

ます。(清田)
 

https://www.we.org/stories/we-colleges-opens-in-kenyas-maasai-mara-bringing-college-education-to-girls-in-kenya/


 

ケニアのマサイ・ マラ村は、快晴の月曜日を迎えました。

でも今日はいつもとは違う月曜日:WEカレッジの開校の日

なのです。

 

22歳のバレンタイン・ ケプコリーは、重い荷物を抱えて、活

き活きとした足取りで校門に向かって歩いて行きます。家族

の誰一人として経験したことのない、大学の初日を、まさに

いま、迎えようとしているのです。

バレンタインは、WE(フリー・ザ・チルドレン)のキサルニ女子

学校の高校生としてずば抜けて優秀でしたが、8人兄弟の5

番目の子だったため、大学への進学を選択肢の一つとして

真剣に考えたことがありませんでした。

 

「両親にはそんな余裕もありませんでした。この学校に入学

できるだけでなく、奨学金までも受ける資格があるという内

容の通知が来た時、私は大声を上げてしまいました」と、バ

レンタインはその時のことを話します。

 

彼女の前に、何人かの若い女性が大学の校舎に向かって

進んで行きます。彼女たちはまた、オリエンテーションなど

に、参加しながら、世界中の大学の新入生に共通して湧き

起こる気持ち、家族の有難みを心に刻みます。新入生はキ

ャンパスをくまなく調べまわり、寮の部屋を整理して、第一週

目の授業の準備へと進めて行きます。

WEカレッジは農村部出身学生が、質の高い高等教育を受

けられるようにするために開校しました。これは、WEがケニ

アで教育を受ける機会を拡充するために行う、新たな挑戦

なのです。

 

WEはこの地域で支援をスタートした時、ナロック郡の小学

校(小〜中2)を中心に、国立の学校でインフラ整備の支援

を行いました。その後、学校に来る生徒―特に女子―の数

が増えていることから、WEはビジョンをさらに広めて、マサイ

・ラマ村に女子高校(中・高校)を開設し、小学校卒業後も女子

生徒が引き続き教育を受けられることを可能にしました。要望

が非常に高く、最初の開校から2年後に、2番目のキャンパス

を誕生させました。

 

昨年の1月にWEは更に第3のキャンパスとなる男子高

を開校させました。そしてかつては高校にまで手が届く

ものかと疑っていた学生が、今や大学のキャンパスを歩

いているのです。

 

大学の講義は、観光マネジメントの専門課程から始まり、

その後、地域保育、臨床医学、農業起業論など広範囲に

わたって行われます。「観光マネジメントの講義から始め

るのは、観光業界の人材の需要が高くなっているからで

す。」この大学の学長、ゲルトルード・マナニーは言いま

す。「これらの若い女性は、良い仕事について、自分や

家族の生活水準を向上させることができるでしょう」。

 

アグネス・コリルは娘のナオミ・ ケプコーイと一緒に大学に

来ました。家を離れて娘も悲しくなるだろうけれど、アグネス

は自分の娘を誇りに思っています。「私は学校教育を受けた

ことは一度もありませんが、常に子どもたちに最高の教育を

と希ってきました。今日娘を見送ることはつらい、でもとても

幸せです!」

 

入学初日の夕日が沈むころ、バレンタインやナオミなどクラ

スメートは、続々と寮に移り、まさにいま、大学での学位取

得に向かって旅立とうとしています―夢の実現を祈りつつ。

 

(原文記事執筆:セディ・コスゲイ 翻訳:翻訳チーム 松田富久子 文責:清田健介)