[ピープル・ファースト」で、ハリケーンからの復興支援に携わるテキサスの高校生たち

2017年、アメリカのテキサス州に大きな被害をもたしたハ

リケーン「ハービー」。地元のSharpstown高校の生徒たちは、

被災者に寄り添った革新的な復興支援を行っています。(清田)
https://www.we.org/stories/high-school-students-strengthen-community-through-volunteer-work-after-hurricane-harvey/

 

 

 

2015年秋、テキサス州ヒューストン南西部の小さな町、

Sharpstownの住民たちは、栄養豊富な食料の入った袋

を求めて並んでいました。供給食料を補充しているのは、

近隣のフードバンクではなく、地元のある高校でした。高校

生たちは、アポロマーケットと称していましたが、それは、

Sharpstown高校の生徒ボランティアが運営する放課後プ

ロジェクトでした。

 

当時、Sharpstownは、食料備蓄が不十分な町として、全米で

2番目にランクされていました。長年の協力組織であるHealth

corpsとヒューストン・フードバンクからの支援を受け、このよう

な悪評を返上するために、アポロマーケットのフードプログラ

ムは始まったのです。また、一方で、生徒たちには、自分たち

が暮らしている町を見直す機会を提供したのです。10年生の

ミシェルは、「私が幼いころから、父は善い行いをする

よう教えてくれました。それで、私は、いつも助けにな

ることをしたいと思っていました。」と言っています。
 ところが、残念なことに、その機会が失われたのです。昨年

の6月、ヒューストン・フードバンクはその資金を失い、その影

響は、アポロマーケットの運営原資にも及びました。

 

生徒たちは、がっかりはしましたが、挫けることはありません

でした。スペイン語の準教員Carlos Quinteroは、他のところを

あたって、社会的な活動に献身する生徒たちを支援する方法

を探しました。そして、すぐに、彼はWE(フリー・ザ・チルドレン)

を見つけたのです。
 

このWEスクールプログラムは、教室で学んだ奉仕を実践

する手段を探していた教師たちにとってうってつけの支援

で、完璧に適合するものでした。それは、すでに、世界を

良くしたいという熱意を育む機会になっていた地域でのボ

ランティア活動を、生徒たちにさらに後押しするものでした。

そして、Carlosが取り組もうとしていた、アポロマーケットの復

活のための事業を独自で行うことも可能だったということが、

最も魅力的な点でした。
 
彼が、生徒たちをWEに紹介してまもなく、あのハリケーンが

襲いました。その後の荒廃の中で、Carlosによる教室での指

導が、実生活の場で試されることになったのです。

 

2017年8月、史上最高を記録した豪雨がテキサス州、ル

ジアナ州で降り、カテゴリー4の猛烈な嵐による大被害は、

ハリケーン;ハービーによるものでした。ヒューストンの学校

は、27兆ガロン(約1000億トン)の雨がおさまるのを待ってか

ら、扉を開けて生徒たちを中に入れました。Sharpstown高校

の生徒たちが、ようやく学校に戻った時、知る必要があると思

ったことは、どうすれば自分たちの町を助けることができるか

ということでした。これは、州全体で125億ドル(約1.25兆円)と

いう被害報告がきっかけでした。

 

幸いなことに、Carlosの生徒たちは、一つのアイデアを持

っていました。

 

クラウドファンディングGo Fund Meのウェブページとアンケ

ートを手掛かりに、被害を受けた家庭の個別のニーズをく

み取る方法を編み出したのです。次にやったのは、活動の

目的を広く知ってもらうための広報と、地域の状況を回るこ

とでした。彼らの予想以上の支援が、こちらから20ドル、あ

ちらから100ドルという具合に、殺到しました。それで、活動

への支出ができるようになりました。WEスクールパートナー

であり、WE Volunteer Nowキャンペーンの後援者でもある保

険会社Allstateが乗り出し、7000ドルという額の資金立ち上げ

につなげました。この後、Healthcorpsが、生徒たちとのパート

ナーシップを復活させたいというニュースが入ったのです。こ

の組織は、以前、Sharpstown高校でのアポロマーケットの立

ち上げを援助した地域支援組織です。その後、一度の基金設

立イベントで、10000ドルが、財源に加わりました。

 

 

 

生徒たちは、今や24000ドルを手にし、自分たちの町を支

援し、アンケートの結果を活用して、次のステップを周知さ

せました。Carlosの見るところ、支援組織は、生徒たちが、

アポロマーケットの再開を望んでいると思っていたようです。

しかし、地元でのアンケートから、生徒たちは、家の修繕から

被災者のための仮設住宅まで、さまざまなニーズがあること

も学んでいました。

 

ニーズ自体は、近郊を含むSharpstownの復興にとって目

新しいものではありません。日常的に、差し迫ったニーズ

を持つ家庭があります。とCarlosは明言します。とはいえ、

この24000ドルには、ハリケーン;ハービーの被害を受けた

家庭のためという特別な事情がありました。それで、その事

情に合わせた調整が必要です。生徒たちの新しいサービス

ラーニングプログラムを通じて、教室での授業を求める声

が上がり、彼らは、当座の問題を解決するだけの従来の支

援モデルに、WEの持続的な支援モデルを加えました。

 

Carlosの指導で、生徒たちは、ささいなことでも大事という

ことを学びながら、ニーズの緊急性を評価することから始

めました。地域内の企業の助けを借り、1袋20ドルの予算

で、トイレットペーパー、歯ブラシ、タオルといった必需品を

袋に詰めました。それから、アンケートと地元との対話で集

めた情報を生かして、生徒たちは、さまざまな復旧のニーズ

を関連付けし、それぞれの家庭のニーズが、他からの支援

によっても充足できるようにしました。ある家族の浴室修繕

を手伝う配管工に来てもらう一方、家の改装経験を持つそ

の家族の父親は、その配管工の家の床の修繕を手伝うと

いう具合です。

 

生徒たちが、もっと、WEのサービスラーニング・カリキュラム

を深められるように、Carlosは、生徒たちのグループを支援

する新しい手法を探しています。彼が結論付けているように、

WEという組織の本質は、みんなが自分たちのグループある

いは地域の課題にどう取り組むか、また、それをどう広げて

いくかということです。

 

今のところ、Sharpstown高校は、ハリケーン;ハービーの被害

復旧に注力しています。去る2月に、Carlosと生徒たちはアポ

ロ・エイド・デイを主宰しました。これは、生徒たちが、この大嵐

の被害を受けた地元の37家族に面会するというアウトリーチ支

援と学習のイベントでした。これを元にしたプランは、さらなる資

金集め、もっと多くのアポロイベント、そしてもちろん、アポロマー

ケットを支援し、運営していく活動になっていくのです。

 

彼の生徒たちが、資金の減損や自然災害の被害を乗り越

えながら、できることは何かを知ることができるように、Car

losは彼らの自主性に任せるつもりでいます。「生徒たちに、

活躍の機会や自分たちの本領を発揮するチャンスを与えれ

ば、彼らは、進んでそのチャンスを掴み、それを実行するで

しょう。正しい枠組みと指針がありさえすれば、子どもたちは

輝く、それを理解していることが大事なのだと、私は思います。」

このように、Carlosは断言します。

 

(原文記事執筆:サラ・フォックス 翻訳:翻訳チーム 山下

正隆 文責:清田健介)