ネットいじめに対して、声を挙げよう!

SNSなどを使用した「ネットいじめ」は、世界各地で問題となっています。

今回ご紹介する若者は、この問題に真正面から向き合おうと社会に呼びかけています。(清田)

https://www.we.org/stories/new-brunswick-youth-overcomes-cyberbullying-to-stand-up-for-others/
 

 

 14歳の高校生リア・ジョーンズには、何度も下校後に悩まされてきたことがありました。

彼女が、ニューブランズウィック州のウッドストックにある自宅の居間にいるとき、よくスマホに通知がありました。

ピンク、パープル、オレンジの色合いの渦が、Instagramのロゴになって、アプリからの通知として画面に表示され、誰かが彼女の最近の投稿の一つにコメントしたことを知らせてきました。

彼女は通知がくるたびに落ち込んでいました。
 

そのコメントは、一番仲のいい友人からの素敵な書き込みではなかったし、親戚からのほめ言葉でもありませんでした。

リアは、他の大勢のカナダの若者が受けているのと同じように、ネットいじめを受けていました。
 

高校入学直後からずっと、リアのInstagramのページは、何人かの知り合いや元友人から中傷コメントの標的にされていました。

例えば、悪口、批判、などです。そして、「口にするのもためらうような言葉」がコメント欄にあふれかえっていたといいます。

幸せな瞬間を写した、ただの写真のはずなのに。
 

「明らかに、面と向かっては絶対に言わないだろうなという言葉であふれていました。ネットではみんな仮面を被れますから、何でも言えます。それでも、そういったことは、私の心を傷つけ、一日中気分が落ち込みます。まあ、普通によくあることだとは思うんですけど、それが普通になっているという状況自体が、本当は問題なんですよね。」と、リアは言います。

「多くの10代の子がネットいじめに遭っています。特に女の子が。女子同士とかだと、感情的になりやすい部分もあるのか、女の子が受けるいじめはより陰湿になりがちです。」
 

2016年公表の統計カナダ統計局の調査によれば、15−29歳のカナダ人のほぼ5人に1人が、ネットいじめあるいはネットストーカーの被害に遭っています。

2016年の国勢調査によると、Woodstockに住む855人が、この年齢層に該当しています。
 

「これは、十代前半の若者や十代手前の子どもたちにとって、とても怖いことです。」と、リアは言います。

「ただ、友達をつくりたいだけなのに、SNSにいろんなことを書かれて、無力感に襲われてしまうのです。」
 

リアのような経験をしている人は大勢います。

しかし、彼女が際立っているのは、いじめに直面した際の強さと折れない力です。
 

2018年7月の暖かい昼下がり、オンタリオ州、Bethanyでの、テイク・アクション・キャンプの食堂にいる現在15歳のリアは、輝いています。

彼女のそばかすのある日焼けした顔は、濃い青色の瞳でさらに強く印象づけられます。

ネットいじめが始まってから、ほぼ1年が経っていました。例のコメントは下火になっており(みんなは飽きてしまってどこかへ行ったのかも)、彼女は、世界やネットいじめの経験について、以前とは違う見方ができるようになりました。

2度の夏をキャンプで過ごした彼女は、誰かがいじめられているのを見たときに立ち向かう自信をつけたのです。
 

彼女によれば、テイク・アクション・キャンプは、自分の生き方を変えました。

「キャンプに来た時は、なかなか大変な時期で、とても良い状態にあるとはいえませんでした。でも、同じような体験をしているのが自分だけではないことを知ったこと、また、自分が情熱を注げる何かを見つけたこと、そのおかげで、人生には、ネット上の2,3のコメントに悩むことよりもはるかに多くのやるべき事があるということが分かりました。
 

リアは、この夏のキャンプで参加した、メンタルヘルスのワークショップで得た知識をもとに、今では、ネットいじめから生じたともいえる、不安やうつといった心の病の兆候や症状に気づくことができます。

彼女は、どうやって友人が必要とする支援をすればよいか、た、どんな組織に助けを求めるべきかを知っています。
 

リアは、前向きなこころの健康状態を保てるよう助けてくれる親しい友人や家族の強い支援の絆を信頼しています。

大好きな人たちとの時間や語らいが、ネットいじめからの癒しとなることが分かっています。

今では、彼女は、写真上に不作法なコメントを見ると、いじめだと声を挙げ、その書き込みを通報します。

彼女の友人が、汚い発言にさらされた際には、相談に乗ります。
彼女は、SNSでいやな経験もしたものの、SNSの良い面も実感しています。Snapchat,Instagram,Facebookなどのようなプラットフォームは、キャンプで出来た彼女の友人とのつきあいを維持してくれています。

彼女は、友人らが世界のどこにいようと、近況を定期的にチェックすることができます。

これが、彼女の言う、「SNSの良い面」です。

 

リアは、ウッドストック高校の10年生になるにあたって、クラスでネットいじめやメンタルヘルスについてのディスカッションの場を持ちたいと思っています。

多くの学校でネットいじめが知られるようになっていますが、いじめの被害者を救い、加害者をやめさせるためには、もっと深く掘り下げた有意義な対話が必要と、彼女は確信しています。
 

1人より多数の声の方が強いと思うので、彼女は、同じような体験をした友人を結集し、一緒になって、教師や校長にその問題を提起しようと計画しています。

彼女が望むのは、校長が、校区内にその考えを導入してくれることです。

そうすれば、トップダウン式に変化が進むでしょう。
 

リアは次のように言います。

 

「ネットいじめは、私が何かをしたいと思う社会問題の一つです。ネットいじめは、私にとって身近な問題だからです。人の言動によって、人が傷つき、心もズタズタにされる。それがいじめです。そんなことはやめましょう!みんなで顔をつき合わせながら、意義のある話をするとか、もっとやるべきことがあるのです。」
 

(原文記事執筆:ゾーイ・デマルコ 翻訳:翻訳チーム 山下正隆 文責:清田健介)