手を差し伸べることこそ、生きること

社会に変化を起こすために、様々な活動を行っているアメリカのウェスト家。一家が自ら起こしたアクションのインパクトを知るため、ケニアにも行きました。(清田)

 

https://www.we.org/stories/parents-teach-importance-of-giving-back-to-children-on-volunteer-trip-to-kenya-and-share-story-at-we-day-california/

 


ウェスト家には家族のモットーがあります。それは家紋を飾る紋章でも、またクレストの装飾でもなく、家族の歴史が引き継いで行くものなのです。

 

「Live to give(手を差し伸べることこそ生きる目的)」とは、ウェスト家が日ごろ生活の拠り所としている言葉ですが、つい最近ケニアのマサイラマでそれを実行に移しました。

 

両親のオリヴィアとノルムは、二人で一枚のコインの表と裏を成しています。

オリヴィアは、成長すると、母親の活動に加わってクリスマスに養護施設を訪問したり、イースターには病院で患者と過ごすなど、家族のいない人たちに元気を振りまいてきました。

一方ノルムは、父親が死去し、自宅を差し押さえられた後は、モテル暮らしをしていました。感謝祭の食事は、見知らぬ人の好意から提供されました。

 

「ノルムに厳しい問題が降りかかっている時期に、私は手を差し伸べる側の家で育ちました。彼は受ける側にいたのです」とオリヴィア。

そばに12歳と10歳の2人の息子のエレミアとヨシュア、それに8歳の娘ヨルダンもいます。「だから、私たち2人が出会って、そして子ども達にも恵まれとき、私たちが他の人に何をしたいのか、はっきり自覚するようになりました」。

 

他人のことを第一に考えるというのは、1つの挑戦的な生き方です― 特に子ども達が、多くの人が直面している貧困の事態に晒されもせず、何不足なく成長している場合には。オリヴィアとノルムは、独創的なやり方で彼らのモットーを活気づかせていきました。「何をするにも、そのモットーに基づいて行いました」と、ノルムは言葉を噛みしめるように話します。

 

 

一家が今では脳卒中から回復しつつあるオリヴィアの祖母の世話にノースカロライナ州のシャーロットに引っ越す以前のこと、ニューヨークのロチェスターでの生活は、奉仕の精神が浸透していました。

彼らは、ノルムが育った近隣をよく訪問して、ノルムがかつて逃げ場としていたモテルで暮らす人々に食事を運んでいました。彼は子ども達に向かって「直接この苦境と自分たちが闘っている訳ではない。けれど、こんな状況にいる人たちに力を貸すことはできる」と言います。

 

つい最近、化学療法を受けている母親に付き添って病院にいたとき、オリヴィアは、いかに多くの人が付き添いもなくたった独りでがんの治療を受けているかと言うことに気付きました。

一家は、患者に配るカードを作り、彼らが決して独りではないと分かってもらおうとしました。

 

手を差し伸べたいというオリヴィアとノルムの願望が伝わっていき、彼らの子ども達に深い感銘を与えました。3人の子どもは、ミシガン州のフリントの住民のために水道水の濾過機を設置するための基金を集めたり、地元の貧困家庭に感謝祭のご馳走の提供したり、クリスマスパーティの開催をしたり、また彼らの地域の恵まれない10代の若者への誕生日の愛の小包集めなどをしました。

「どんな活動も単独では世の中を変えられませんが、小さな行為が積み重なって大きな力になります」とノルムは説明します。

 

オリヴィアとノルムは長年、彼らの子ども達が地元に止まらずもっと視野を広げるのを夢見て来ました。そんな時、WE(フリー・ザ・チルドレン)から声が掛りました ― ケニアのある開発途上の地域を訪問する機会を提供するというもので、そこはウォルグリーンズ(米国のドラッグストアチェーン)が支援している持続可能な開発支援プロジェクトからの援助を受けている地域です。

ウェスト家も購入した、ウォルグリーンズのストアが販売するチャリティー目的の高級の商品によって、ケニアの農村部の生活の変化に対応しているME to WE Track Your Impactのユニークな規準が支えられ、清潔な水の供給、医療や健康的な食べ物の提供、経済の発展や教育への機会が提供されています。

これらは、小さな行動が積み重なって大きな結果を生むというウェスト家の信条を目に見える形で具体化したものです。

ケニアに滞在中、一家は彼らの活動で恵みを受けた多くの人に出会いました。

子どもの将来に備えて働く母親、家族の中で初めて高校に進学した女の子、清潔な水と医療を受けられることによって生活が変わった村びと達などです。

 

 

ウェスト家の5人は、他国の経験や学び取った未来への展望と感謝の気持ちをワクワクしながら語ります。

「彼らから得るものは非常に多く、また、家族やみんなが集まって協力すること、そして他国の人を自分たちの生活に招き入れることの意味を教えられました」と、オリヴィアは語ります。

 

一家が故郷に戻ってからも、ケニアへの支援を確実に持続できるようにしたいと思っています。

それは、“live to give”が確実に子ども達の生活の一部となることから始まります。

子ども達がいつか、それぞれの家族に伝えて行き、世代を超えて効果を築いて行く、そんな生活なのです。

 

エレミア、ヨシュア、ヨルダンはと言えば、彼らは次の計画に夢中で、その先まで完全に思いを巡らすということはできません。

 

「いったん自分がしたことの効果を知れば」とエレミアは満面の笑みで語ります。「それが動機となって、もっと多くの人を助けるために、もっと頑張ってもっと多くの生活を変えるために励もうと、力が湧いて来ます」

 

(原文記事執筆: ジェシー・ミンツ 翻訳:翻訳チーム  松田富久子  文責:清田健介)