ケニアのマサイの取り組みから、「新時代の男らしさ」を考える

クレイグとマークのコラムの紹介です。

https://www.we.org/stories/gender-norms-kenya/

 

画像引用元URL https://www.we.org/we-stories-categories/we-founders/

 

最近、メディアのコメンテーターや評論家から、こんなぼやきを聞くことが多くなりました。

「社会の常識や価値観が変わり、男性には生きづらい世の中になってしまった」と。

 

しかし、社会で必要とされる常識というのは、コメンテーターや評論家が言うほどそんなに変わっていないと思います。

いつの時代も、善良な人物であること、他者を尊重することができるといったようなことなどは求められていた訳ですから。

変わったことがあるとするならば、「常識」そのものではなく、社会が様々な問題に対する透明性や情報開示、説明責任をより高い水準で求める時代になってきたということだと思います。

しかしながら、男性が行う様々な行為(性的なことも含めて)に関してより高い水準の責任を負わされるようになってきているということが、男性の「生きづらさ」を生み出しているという問題があるのであれば、それに対処する必要があることも確かです。恐らく、変えるべき常識は、「男の子の育てに関する常識」だと思います。

 

私たちは、ケニアで長年仕事をしてきました。ケニアのマサイの少年たちは、成人すると儀式としてライオン狩りに出かけるのがしきたりとなっていました。

それは、青年たちの強さや我慢強さ、困難に立ち向かう強さを示す場となっていました。

ライオン狩りは、「男としての象徴」であると同時に、「生き延びていくためのスキル」でもあったのです。

ライオンに、家畜を食べられたりしたら、生活の糧を失う可能性もある訳ですからね。

 

ライオンが絶滅の危機に瀕した頃、新たな「伝統」として始まったのが、「マサイ・オリンピック」です。

マサイの「戦士文化」を称えるため、走ったり狩りをしたり、ジャンプをしたりするゲームをしたりします。

このマサイ・オリンピックには、史上始めて、少女たちも「戦士」として参加するようになりました。

 

今の時代のマサイの戦士たちは、その「強さ」を新たな活動や分野に注ぎ込んでいます。

ライオン狩りをしていた最後の世代であるWilson Meikuayaは、少女たちや少年たち児童婚や働きに出るのではなく、学校に行くことができるようにするために、活動家としての活動を続けています。

 

「ある意味では、私は『社会の不条理』という名のライオンを狩ろうとしているのです。そういうことを行うことが、今の時代の『戦士としてのあり方』だと思います。」

 

 

マサイの人たちの取り組みから、先進国に暮らす私たちが学べることは何でしょうか?

もちろん、状況は全く異なります。しかし、私たちも、性規範の問題の繊細さを理解できる新たな世代を育てるために、模索を続けている最中です。

端的に言えば、男尊女卑的な価値観や、性規範に基づいた傲慢な振る舞いをこの世界から一掃しなければなりません。

 

先進国での、「『男らしさ』の呪縛」を打破しましょう。マサイのように、「新たな伝統」をつくるのも良いかもしれません。

 

感情的な弱さを見せる男性のロールモデルを称えましょう。母親を亡くした悲しみ、葛藤、こころの健康に関して苦しんだ過去を告白したヘンリー王子は素晴らしいロールモデルです。

子どもたちが、寝室に貼っているヒーローのポスターを見ながら、「なんでこのヒーローが好きなの?」と聞いてみて下さい。

そして、異なる種類の勇気について話してみて下さい。

人を助けること、そして助けを求めることも、勇敢な行為なのだということを伝えて下さい。

 

男の子たちを、「良き理解者」に育てることが必要です。アクション映画が子どもたちに教えている「男らしさ」とは、物事を動かす立場にいることこそ男らしいということです。

「悪い奴をやっつけて世界を救う」というような具合に。でも現実にはそんなことはありません。

問題と向き合っている人たちの話を聞き、様々な人から学ぶ姿勢を身に着けることの方が重要です。

ヒーローではなく、寄り添う姿勢を持つことの方が人を救えます。

恵まれているのであれば、それを誰かを助けるために使うべきだと教えて下さい。

力を振りかざして物を進めようとするのは間違いであると。

 

チームスポーツは、奪い合いではなく協力することの大切さを教えてくれます。

支えること、目標に向かうことの大切さを教えてくれます。

未来のプロアスリートが、勝利に必要以上に固執せず、相手を称える姿勢を見せたときは、ホームランを打った時と同じように褒めてあげて下さい。

勝利を勝ち誇ちるよりも、人を助けることができるようになることの方が大事だと伝えて下さい。

 

男の子たちに、「他者を支配しなくても、人は強くなれる」ということを教えましょう。あまりにも多くの男性が、#MeTooに対して、敵対的な態度や、ハラスメントめいた言動をしてきました。

もう攻撃な男性はこれ以上この世に必要ありません。

 

私たちがこれから必要としている男性は、女性に対して無意味な野次やお説教をしている他の男性たちに、それは間違っていると注意できる男性です。

男らしさとは、闘いに勝つことではないということではないということを男の子たちに教えることが必要です。

マサイでの狩りが、もうライオン殺しではないということと同じように。

 

会での常識が変わったという訳ではありません。しかし、いまの状況は、次世代を担う少年たちを、きちんと自分の行動に対してきちんと責任を担えて、自分が為すべきことを理解できる男性に育てることができるチャンスです。本当の男らしさをいま教えましょう!